燃費か安全か、どちらを選ぶ?

Yahoo!ニュースを見ててこんな記事があった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080825-00000022-nnp-l40


ようは、走っていてアクセルペダルから足を離したときに、自動的にDレンジからNレンジに変えて速度を一定に保とうとしようとしている、ということらしい。


ATの制御開発の担当者(2年目)として言わせてもらいたい。
停車時ならまだしも、走行中にATのレンジを勝手に変えるとは危険すぎる。
確かにアクセルオフ時に惰性で走ることで、制御によりエンジン内の燃料噴射が止まり燃費は向上する。
この時の、エンジン内の機械的な摩擦や抵抗がエンジンブレーキとして車の制動力として働くわけだ。


走行中にDレンジからNレンジに強制的に変えてしまうと、このエンジンブレーキが利かなくなり、
下り坂などで十分な制動力を得られなくなる。
また、よりフットブレーキに頼ることになるため、ブレーキパッドが加熱し、利きが悪くなる可能性がある。
また、ブレーキパッドのちびり方も通常より早くなってしまうだろう。

何より危険なのは、車がドライバーの意思とは違う動きをしてしまう、ということ。
ドライバーが車の状態を把握できないと、事故に直結してしまいます。


次に、走行中にDレンジからNレンジに変えるのが、本当に燃費にいいのかどうか。
先に行ったとおり、Dレンジでアクセルオフなら、エンジン内の燃料噴射が制御によって停止されるため、燃費は向上する。
ただ、これはDレンジだからである。
車輪の回転によって、強制的にエンジンを回し続けることが出来るからこそである。


このとき、Nレンジにするとどうなるか。
エンジンと車輪は駆動力が切り離される。
つまり、エンジンは常にアイドリング状態(と同様の状態)になる。
よって、本来は燃料の噴射が停止するところが、余分に消費してしまうことになるので、
このことが燃費によいかどうかとは、一概には言えない、と思う。


まぁ、確実なのは比較実験することですが。
ただ、これは相当危険なことだと僕は思います。
絶対やめたほうがいい。


燃費を稼ぐために、走行中にエンジンを停止するとかいう人もいると聞いたことがありますが、
さらに危険すぎます。バカです。


エンジンを停止すると、フットブレーキの利きが悪くなります。
っていうか、めちゃくちゃ硬くなってまったく踏めなくなる。
初めの2〜3回だけです、利くのは。
エンジンをかける前に試しにブレーキペダルを何度か踏んでみるとわかります。
ブレーキが利かないっていうのは、どんなに怖いことかは誰でもわかりますよね?
運転者にとってもですが、歩行者や周りのドライバーにとっても危険な行為です。
絶対にやってはいけません。


燃費も大事ですが、安全のほうがはるかに重要だと思います。